"神の手"事件に関して2001年8月17日〜2003年3月31日に「捏造問題連絡舟」で交わされた議論の過去ログです。
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[利用方法] [神の手事件情報局] [関連資料一覧] [こうせい炭素年代]
0451 寝た子を起こす OM 〔2002/03/30-02:05〕
0452 RE:衝撃的なニュース 早傘 〔2002/03/30-09:47〕
0453 不思議発見 前期旧石器捏造事件疑問者 〔2002/03/30-16:26〕
0454 RE:寝た子を起こす 山村貴輝 〔2002/04/01-11:16〕
0455 RE:笑劇的なニュース 早傘 〔2002/04/01-22:44〕
0456 JapanSkeptics が捏造問題関連シンポジウム 早傘 〔2002/04/02-22:36〕
0457 誤認への寄与率 元企業技術者ｙ 〔2002/04/03-21:12〕
0458 RE:寝た子を起こす OM 〔2002/04/04-07:32〕
0459 『前期旧石器問題とその背景』 早傘 〔2002/04/05-00:48〕
0460 RE:寝た子を起こす 山村貴輝 〔2002/04/05-10:17〕
0461 RE:誤認への寄与率 山村貴輝 〔2002/04/05-10:35〕
0462 その背景読みました 山村貴輝 〔2002/04/08-09:54〕
0463 RE:その背景読みました 山村貴輝 〔2002/04/08-12:11〕
0464 RE:その背景読みました 早傘 〔2002/04/09-00:01〕
0465 サーバートラブルから回復？ 早傘 〔2002/04/11-00:45〕
0466 永瀬唯氏の発言を転載 早傘 〔2002/04/11-01:31〕
0467 RE:その背景読みました 山村貴輝 〔2002/04/11-10:01〕
0468 あす科学技術館に時間があれば行って来ます 山村貴輝 〔2002/04/12-14:19〕
0469 RE:あす科学技術館に時間があれば行って来ます 山村貴輝 〔2002/04/15-11:57〕
0470 座散乱木再発掘 早傘 〔2002/04/19-07:27〕
0471 ミュゼ５２金山意見の不十分さについて 山村貴輝 〔2002/04/19-15:36〕
0472 総進不動坂「遺跡自体が捏造」 トラ 〔2002/04/21-07:47〕
0473 神手不始末見聞言（4/6-4/16） 早傘 〔2002/04/21-23:27〕
0474 他の掲示板 早傘 〔2002/04/21-23:50〕
0475 RE:他の掲示板 山村貴輝 〔2002/04/23-10:13〕
0476 RE:総進不動坂「遺跡自体が捏造」 元企業技術者ｙ 〔2002/04/23-16:15〕
0477 増補 縄文人の時代 追補 アームチェア 〔2002/04/23-19:18〕
0478 RE:総進不動坂「遺跡自体が捏造」 山村貴輝 〔2002/04/29-10:18〕
0479 国外は大丈夫ですか？ 山村貴輝 〔2002/05/02-10:54〕
0480 新刊紹介「科学の倫理学」 耳飾 〔2002/05/05-21:17〕
0481 RE:新刊紹介「科学の倫理学」 耳飾 〔2002/05/05-21:29〕
0482 RE:新刊紹介「科学の倫理学」 早傘 〔2002/05/05-22:47〕
0483 RE:新刊紹介「科学の倫理学」 さとうけいすけ 〔2002/05/05-23:55〕
0484 とりあえず最近のニュース 早傘 〔2002/05/13-23:42〕
0485 RE:とりあえず最近のニュース koyu 〔2002/05/14-01:13〕
0486 脇から失礼 菅谷 〔2002/05/14-19:14〕
0487 神手不始末見聞言（4/19-4/24） 早傘 〔2002/05/18-10:03〕
0488 考古学技術研究会 早傘 〔2002/05/18-23:13〕
0489 RE:考古学技術研究会 アームチェア 〔2002/05/19-00:07〕
0490 神手不始末見聞言（4/26-4/28） 早傘 〔2002/05/21-00:39〕
0491 RE:神手不始末見聞言（4/26-4/28） ash 〔2002/05/22-00:16〕
0492 お天気 MT 〔2002/05/22-20:03〕
0493 「埼玉県前期旧石器問題検討報告書」刊行 早傘 〔2002/05/22-22:11〕
0494 RE:猫の目のような MT 〔2002/05/23-00:07〕
0495 RE:神手不始末見聞言（5/1-5/2） 早傘 〔2002/05/23-00:23〕
0496 週刊SPA! 早傘 〔2002/05/23-01:06〕
0497 RE:図書（5〜６月） MT 〔2002/05/23-01:32〕
0498 RE:考古学技術研究会 早傘 〔2002/05/23-22:21〕
0499 それにしても MT 〔2002/05/25-03:44〕
0500 RE:まったく MT 〔2002/05/25-03:48〕
| 0451 寝た子を起こす OM 〔2002/03/30-02:05〕〔80.12.129.41〕 |
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横からちょっかいだして失礼しました。 不作法を責めぬうえに、さらに優しいお言葉をかけていただき感謝しております。 私はねつ造問題における最大の立役者であり、常にプロたろうとする角張さんに は最大級の敬意を持っておりますが、何分OMというのはいつでもヌエのようなOMで すので、あのような投稿をしてしまい失礼いたしました。 角張さんの仰る件のOM氏に対する疑惑ですが、現実がどうあれ、そろそろ皆忘れ ようとしている現状を打破するのは難しいかと思います。 ここはやはり、藤村さんに直接話していただくというのが一番よろしいのではな いでしょうか？ それには、精神科医のカウンセリングが有効だと思います。日本ではまだ精神科 というのはこだわりがあるみたいですが、こちらでは歯医者に行くより気軽に行 く人もいるし、何かの事件や事故の後は、トラウマを軽くするために被害者(かす り傷一つなくても)には必ず精神科医がフォローします。容疑者として起訴されて いる人に対しても、もちろん精神状態を確かめることと並びに、行為の因子につ いて本人や周囲が理解できるように精神科医がフォローします。 藤村さんには、「自白させる」というようなお偉いさんの尋問ではなくて、「治 癒させる」ために心にわだかまったものを吐き出してもらうフォローが必要では ないでしょうか？ 考古学会がそのような寝た子を起こすことに手を貸すような団体であるとは思い ませんが、貴重な記録にもなりうるのですから、是非検討していただきたいな、 というのが今週の火の玉でございます。 |
| 0452 RE:衝撃的なニュース 早傘 〔2002/03/30-09:47〕〔218.217.148.236〕 |
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ご存知ない方もいらっしゃるかと思うので。 縄紋醸造酒問題は「こまきのいせきものがたり」掲示板で議論が続けられています http://www.happy-web.ne.jp/mbspro/pt.cgi?room=komakino |
| 0453 不思議発見 前期旧石器捏造事件疑問者 〔2002/03/30-16:26〕〔211.2.99.73〕 |
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岩手県ひょうたん穴遺跡の件で、岩手県考古学会で熊谷常正氏が捏造問題に取り組む見解を表明 している。不思議な点はかれはこの遺跡の幹事調査員であったことで、騙されたのはわれわれで 被害者ぶっていることです。北海道の長崎氏も同じ発言をしている。長崎氏の場合は見抜けなか った非力を反省しているが、反省の弁だけ。捏造検証委員会に協力することによって責任を果た したいという程度のものである。本当に反省するのであれば、１０年間くらいは謹慎して表にで ないか、いったん考古学をやめて勉強しなおすか、頭をまるめるか、して欲しいものです。 ところで、熊谷氏はひょうたん穴に積極的にかかわっただけでなく、藤村たちのシンパであった はずです。昔だまされて、今検証できるのだろうか。過去は過去で、不問というわけにはゆかな いし、せめてもの償いという訳だろうか。ひょうたん穴の石器に石灰岩付着がないなど当初から 指摘されながら、藤村の告白があるまでは知らん顔をしていた。告白の後、あわてて被害者と検 証者を背負う風景はこっけいで、学問していたのかなと疑問に思う。 今春の日本考古学協会で一応の発表があると思うが、恐らく全てマスコミが既に発表している以 上の内容は望めないだろう。今年の課題は、一連の捏造事件に対する関係者の責任問題に発展さ せる必要がある。検証を更に深めることは当然である。そこでその費用は、関係者に負担しても らい検証してはどうだろうか。ひょうたん穴などの発掘費用は岩泉町の税金だろうから、最低で も当時町からもらった滞在費交通費は返納させるようにしてはどうだろうか。補助金がでていた らこの時世ではなおさらです。全ての捏造遺跡にはまだ藤村が埋めた石器が残っているはずであ るから、検証発掘してそれらを除去しないといつかそれが本物になってしまいかねない。洞穴内 の範囲だろうからほかの遺跡よりは範囲が限られるが、フラットな遺跡だと際限が無い。しか し、藤村たちの発掘場所を平面図に残す作業だけは関係者が多くいる間にやっておかないと訳が わからなくなり、今後１００年後を考えてそういう記録を作るひつようがあろうから、せめてそ の費用は加担者たちの負担か割り勘でやってもらいたい。要するに検証は藤村だけでなく関係者 自らの反省の上に成り立つものである。 |
| 0454 RE:寝た子を起こす 山村貴輝 〔2002/04/01-11:16〕〔211.13.48.67〕 |
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>不思議発見さんの意見ですが第一次的関係者（藤村氏と行動を概ねともにし、藤村氏の成果を 自らの成果と同じように宣伝していた｀共犯者｀）はひょうたん穴だけではなく、多くの藤村遺 跡で確認できます。被告人のはずがいつの間にか検事になっていたり、またそれが自己批判の証 明と実践であるが如くの行動や発言をしています。非常に醜い行動ですが誰も「醜悪」として批 判しません。藤村遺跡は彼らにより今後の憂いがないよう完膚無い形で抹消させることも賛成し ますが、今の協会ではそれは出来ないように思えます。 >ＯＭさんの意見ですが、藤村氏をカウセリングを行うことを藤村氏の治療も含めてＯＭのシナ リオの確認を行うことも一般論として良いとは思います。しかし精神科医によりそれを如何にな すのか、それ以前にその治療が適切なのか（時期など）、について意見が異なることが予想さ れ、そう言う状態では具体的に協会としては着手できないと考えられます。協会としては現時点 では事実確認を行っており、その後の対応は不明ですがこのままなし崩し的に風化されることが 懸念されます。 >つまるところ考古学世界の体質が問題ですがそれを変えることは難しいと思います。医学界が エイズ事件で世間の感覚とは異なる次元で「倫理と論理」が存在することが暴露されましいたが それが変わったのか？といえば変わっていない。官僚特権構造が問題化されてもそれを真摯に受 け止める官僚は誰もいない。そういう空気と似た空気が考古学世界にある。自浄能力がないし誰 もが疑問とも感じながらそれを根気よく追求しない。暖簾に腕押し的な感じがします。その空気 を私も吸っていますので、空気の中身を分析可能なわけですが行き着くところアイデンティティ の否定となることもあり、自分だけがそれを否定しても意味がないとの居直りも出てきます。結 論は未定ですがよほど腹をくくって考えなければならないと思います。 |
| 0455 RE:笑劇的なニュース 早傘 〔2002/04/01-22:44〕〔218.217.147.1〕 |
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遺跡捏造問題に取り組んでいる日本考古学連盟が、捏造問題特別委員会の次期委員長を、フラン スの考古学者に要請していることが明らかになりました。次期委員長を要請されているのは、ル イ16世記念大学のド・リーム教授。旧石器文化の世界的権威で、原人の化石が発見されたアラレ 洞穴の調査などで知られています。連盟関係者によると「サッカー日本代表、日産自動車など、 組織改革にはフランス人が向いている。過去のしがらみに囚われずに“革命”をおこして欲し い」とのことです。関係者の声を拾ってみました。 ド・リーム教授：「日本人は個人の想像力で状況を打開する力が足りないと思う」 マリー夫人：（菓子箱を抱きながら）「日本には前期旧石器が無いそうだが、石器がないのなら 人骨を探せばよいのに」 捏造問題に詳しい荒坂゛氏：「ド・リーム氏も以前は、中峯ｃや馬場壇の石器が確実に10万年以 上前のものだと言っていた。みんな脛に傷を持つ身なのです。」 ----------------------------------------------------------------------------- 毎年恒例ということで、こんなニュースを用意しましたが、頭捻りすぎです（そもそも、よほど 詳しい人でないとわからないネタだらけ） 「縄文蒸留酒」の足元にも及びません |
| 0456 JapanSkeptics が捏造問題関連シンポジウム 早傘 〔2002/04/02-22:36〕〔218.217.146.219〕 |
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「考古学のおやつ」に先月投稿されていたのを見逃していましたが、 http://www.ops.dti.ne.jp/~shr/bbs/tn/tn.html JapanSkeptics の第11回総会記念行事としてこんなシンポがあるそうです http://www.chisenweb.com/skeptics/skep/11news.html 周知広布は掲載者の意志に沿うことと思うので転載します > 今年の記念講演・シンポジウムでは「科学研究の基礎」の問題を取り上げることとしました。 講演には、明治大学の考古学者・佐々木憲一先生をお招きし、(1)藤村新一氏は何をどう捏造し たのか、(2)なぜこのような捏造が長い間見過ごされてきたのか、(3)今次捏造事件は日本の考 古学にどのような影響を及ぽすのか、(4)考古学界はこのような事件の再発を筋止するためにど のような対策を講じようとしているのか、(5)この事件は科学研究にかかわる者の「倫理」とい う視点から見た場合どのような問題を提起しているのかーー等について問題提起をしていただ き、科学研究における倫理、科学者の倫理観をめぐる諸問題を、バイオエシックスの問題等も含 めてシンポジウムで深めたいと思います。ふるってご参加ください。 > > ◇とき：2002年4月13日（土） > ◇ところ：科学技術館 > ▼東京都千代田区北の丸公園2−1 > 電話03−3212−8458 > ▼地下鉄東西線「竹橋」駅，地下鉄東西 > 線・半蔵門線・新宿線「九段下」駅下 > 車徒歩約10分 > > ◇プログラム： > 13：00〜13：30 総会 > 13：40〜14：40 記念講演 ママ > 佐々木憲一氏（明治大学講師） > 「旧石器発掘をめぐる捏造事件の意味するもの」 > 14：45〜17：00 記念シンポジウム > 「科学研究をめぐる倫理をめぐって」 > 佐々木憲一氏 > 池内了氏（名古屋大学大学院教授） > 高橋昌一郎氏（国学院大学教授＝予定） > 安斎育郎氏（立命館大学教授、司会） > 17：30〜19：00 懇親会 （以下略。転載元要参照） なんで佐々木助教授が？という気もしますが、擬似科学の専門家の Skeptics の皆さんが神の 手事件をどう見ているか知る良い機会だと萌え。 同日にはこういうのも http://members.aol.com/k2plan/kouko/ivent.htm#anchor76396" 明治大学考古学博物館友の会・講演会「日本考古学2001」 大竹憲昭氏「長野県竹佐中原遺跡の調査結果について」 他 2002年4月13日(土)13:30〜17:10 明治大学12号館10階2103教室 要・事前申し込み って、明治の先生総動員ですがな。佐々木さんしか都合付かなかったんね。 JapanSkeptics といえば、ちょっと思い出したことがありまして、えっと、半年以上アップを サボっていたページがあるんですわ。まずい、仕上げねば。 |
| 0457 誤認への寄与率 元企業技術者ｙ 〔2002/04/03-21:12〕〔211.10.226.131〕 |
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神の手情報局で、考古学協会総会のプログラムを見た。捏造関連は、旧石器特別委員会の報告だ けのようである。 多分、再発防止のための考古学内部の自己反省的な色彩が強い内容になると予想するが、どの ような内容になるのだろうか。 対象がＦ事件のような埋め込み対策だけになるのでは、と気になる。 Ｆ事件はＦ氏により引き起こされたが、関係考古学者の認識を誤らせたのは、期待する地層か ら石器が発掘されたことだけでない。その石器の科学的検証を分担した科学者の所見も、関係考 古学者の認識形成に与っていた筈である。 関係考古学者は、地磁気とか脂肪酸分析とかを科学者に依頼し、傍証固めをきちんと行ってい る。それに対し、ナウマン象の脂肪が検出された等の科学者の所見が提出されたのである。も し、脂肪酸分析で、ナウマン象でなく、現代人の手の脂肪が検出されたとの所見であれば、関係 考古学者の認識も違っていたであろう。 その意味で、誤認への寄与率は、Ｆが圧倒的部分を占めるが、石器についての科学的所見を提 出した科学者にもある筈である。 単純な埋め込み対策だけでなく、科学のヴェールを纏った尤もらしい所見にどう対応するか、 その対策にも触れるべきである。 「科学者の所見は、必ずしも信頼できない」というのも今回のＦ事件の大きな教訓である。 科学のヴェールを纏った所見にどう対応するか、旧石器だけではない、大切な課題と思う。 |
| 0458 RE:寝た子を起こす OM 〔2002/04/04-07:32〕〔193.250.233.5〕 |
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はじめまして山村さん。 私の意見ですが、言葉を正確に使えば「精神療法医による精神療法」が有効でな いか、ということです。テレビ映画でおなじみの、客(患者というよりは)がソファー に寝ころがり、普段着の医師が客が心に貯めているものを吐き出させるやつです。 日本の大病院にあるような(現在は変わっているかもしれませんが)、診察室は隅っ こにあって、患者がカーテンで隠されていて、白衣のおっさんが偉そうに「尋問」 する所謂精神科の診療というのとは根本的に違います。 この治療においては、短期間で結果を出すというようなことは問題外になります。 そのかわりマイナス面も副作用も限り無く零に近いものです。 少なくとも、発表された藤村さんの状態や、社会や考古学界からの反応で受けた 心のダメージを考慮するに、治療が必要でないとは到底思えません。 適切であるかないかという議論はこの治療が科学的医療でない以上ありえないも のだと思います。 治療により藤村さんが回復すれば、藤村さんの今後の人生(まあ、まず遺跡で埋め 残っている石器を掘り出してもらうのは必然として。)と家族の今後の人生がより よいものになるでしょうし、藤村さんが彼の心の闇(ねつ造史)を語れば、考古学 界の心の闇(ねつ造史)も明らかになるでしょう。 何にせよ協会が着手しないだろうってことは私も同意見ですが。 |
| 0459 『前期旧石器問題とその背景』 早傘 〔2002/04/05-00:48〕〔61.124.189.110〕 |
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発売されたわけです ----------------------------------------- 『前期旧石器問題とその背景』 監修 段木一行 編 法政大学文学部博物館学講座 著者 小田静夫・小野 昭・小林達雄・笹川孝一・金山喜昭 本体2,000円 224p A5判 ISBN4-944163-24-X 2001年7月に行われた、法政大学文学部博物館学講座シンポジウム「前期旧石器問題とその背景 を考える」の基調報告、全体討論を収録。更に、各界の識者によるコラムや問題発生までの過 程、英文論考、その後の進展を追う資料も充実させた。「捏造問題」を考古学をはじめさまざま な観点から検証し、社会における今日的な問題としてとらえ直す。 （http://www.musee-um.co.jp/ambooks01.htm より） ------------------------------------------- 識者コメントは10人が各３〜４頁 関連研究者（教育学、近世史等）６名 マスコミから４名 マスコミ陣のコメントは読む価値がある 書名も付属資料集も「前期旧石器」に問題を限定している。以前も協会の委員会名を批判したと おり、「前期（・中期）旧石器」への限定は事件の全体像を見失わせている。 |
| 0460 RE:寝た子を起こす 山村貴輝 〔2002/04/05-10:17〕〔211.13.49.75〕 |
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>ＯＭさんはじめまして。精神科の治療方法は良く理解しているつもりです。カウセリングによ り本人の心理的負担とそれ以前の警戒心を解除することですね。現在の精神医療は社会生活の 様々な精神邸負担やそこから起こるストレスなどを対象として日常的に行われています。藤村を どのように治療するのかは興味がありませんが、時間や家族などのケアも必要と思います。 >事件の自白もケアとされると思いますが、（こらは今気づいたのですが）原則として自白内容 は公開されませんね。藤村の同意があっても主治医や弁護士が反対すると思います。その後彼が 回復したら彼の口からしゃべってもらうしかありませんね。治療中のこの様な自白は非公開で す。このことに関しては気を長くして待っているしかないように思えます。 |
| 0461 RE:誤認への寄与率 山村貴輝 〔2002/04/05-10:35〕〔211.13.49.107〕 |
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>Ｙさん、協会が藤村事件に関与した科学者を召還することは残念ながら無いと思います。何故 ならば召還できる強制力がないことと、「特別委員会」で参考者として科学者を位置付けて彼ら から参考意見を聞くことは出来ると思いますが、今の協会では難しいのではと思います。何故か と言えばそのような体質としか言いようがありません。協会が科学者達を呼びつけるような毅然 とした組織であれば問題は少ないのですが。 >それでは科学者達が意識的に自己の見解を述べるか？と言えばこれまた難しいと思います。う やむやになるのを待つとか、考古学側の資料提起の問題があるとかいって逃げの姿勢でしょう。 >この様に科学分析などでも論争などを組織する機関がないことで（だからこれでよいとはなり ませんが）逃げることや沈黙することの自由が許されているのが現状だと思います。しかし執拗 に協会の場所とか意見書などで科学者達の責任を求めたならばあるいは協会としても黙殺は出来 ないのかと思います（やはりいくら言ってもダメかな？）。問題は自浄能力がないことにつきる ように思いますが。 |
| 0462 その背景読みました 山村貴輝 〔2002/04/08-09:54〕〔211.13.48.97〕 |
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>「前期旧石器問題とその背景」読みました。シンポにも参加していましたが活字になると印象 が変わります。活字のほうがよりリアルという感じです。マスコミから毎日・朝日・読売・ＮＨ Ｋが発言しています。自戒の念を込めての発言です。それぞれ気持ちは分かるのですがデスクか ら「もっと花になるネタ。見出しをゴチ中開け」とか言われるとやはり流されてしまう。読み手 はこの場合ホントのことよりも、事実に根ざしたスクープであり針小棒大とならざるをえないの ではないか。そのことと本多勝一が言うところのジァーナリズムの育てることが必要だとも思い ます。マスコミ＝ジァーナリズズムでないこと故に考古学ジァーナルが求められていると思いま す。マスコミは考古学に限らず刑事事件などでも勇み足となり警察発表のお先棒を担いでいるこ ともあります。その都度「反省」していますがやはり商業示としてある以上仕方がない則面があ ります。 >その本では笹川孝一さんの意見が部外者なりによい視点で、笹川さん自身が市民運動をやって いることもあり面白い見解です。考古学は考古学という立場を敢えて外してこの問題を照射する 作業も必要かと感じます。考古学者だからそのようなことは出来ない、と言うのではなく考古学 者故に考古学の客体的に見つめる作業が可能なのですから、そのことを理解した上で「循環運 動」の中に身を投じてはと思うのです。 |
| 0463 RE:その背景読みました 山村貴輝 〔2002/04/08-12:11〕〔211.13.49.79〕 |
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>小田静夫がまとめた同書の関係論文集成の中に「異貌１９号」の山村および佐々木論文が欠落 している。小田静夫が同誌を知らない訳はないはず。マイナーな同人誌は載せない、と言うこと なのであろうか。 |
| 0464 RE:その背景読みました 早傘 〔2002/04/09-00:01〕〔218.217.148.198〕 |
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山村さん 関連文献リストに載せるべき文献であるならば http://homepage2.nifty.com/ash/l_paleo_fake/biblio_02.html に掲載されていないのだから、この掲示板で情報提供をするのが先です。 この掲示板の読者が、自作の文献の紹介もしないでおいて、無視されたとか言っても テンツバです （そもそも小田リストは網羅的なものを目指していないし、詰めも甘い） あと、誤解されているようですが 「＞」は、段落開始の記号ではなく、引用符号です。 引用文以外には付けないでください なお、考古系の文献は、ほっといても色々な形で収集されるから、僕自身は考古学の枠からはず れたところでの関連文献の収集に力点をおいています。 で考古系の文献はですね、ここを読んでる考古系の方々が、一人一冊ずつだけでも書きくぉんで もらえないものかと期待しているわけです。 |
| 0465 サーバートラブルから回復？ 早傘 〔2002/04/11-00:45〕〔218.217.148.17〕 |
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3月27日にniftyより次のようなメールがありました ------------------------------------------------------------------ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ メンテナンスのご案内 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ センター移転、およびシステム設備変更のため、次の日程でメンテナンスを 行います。ご迷惑をおかけいたしますが、ご了承のほどお願い申し上げます。 □日時 ・2002年 4月 9日（火） 2:00 〜 8:00 ・2002年 4月16日（火） 2:00 〜 5:00 （以下略） ------------------------------------------------------------------ 9日8：00を過ぎてもそのまま掲示板が閲覧できない状態が続き（ごくまれに閲覧できることも あり）、現在niftyの障害報告のページに次のような説明が掲載されています http://homepage.nifty.com/info/index.htm#ahp0409 ------------------------------------------------------------------ homepage2（自作CGI）障害のご報告（お詫び） 04/10/02 2002年4月9日（火）8:00より、アット・ホームページ(homepage2.nifty.com)の自作CGIがご 利用いただけない状況が発生している障害ですが、4月10日（水）現在も復旧に至っておらず、 ご利用のお客様には多大なご迷惑をおかけいたしておりますことをお詫び申し上げます。 ■対象となるお客様 アット・ホームページ(homepage2.nifty.com)をご利用のお客様 ■発生時刻 2002年4月9日（火）8:00 〜現在発生中 ■原因 CGIサーバーとファイルサーバーをつなぐネットワーク部分に不具合が発生したため。 現在、復旧に努めております。 ■現象 自作CGIがご利用いただけない状態が発生しております。 ご利用のお客様には長時間にわたり、大変ご迷惑をおかけいたしておりますことを深くお詫び申 し上げます。 -------------------------------------------------------------------------- 10日23時過ぎから、状況は好転しているようで、大体閲覧できる状況になっています。 というわけで、これは書き込みのテストのための発言でもあります。 みずほ銀行のトラブルに合わせて、自らもトラブるとは nifty も洒落っ気があります （自作ＣＧＩを使わせないための嫌がらせじゃあるまいな） 丁度いい機会なので、ついでにＣＧＩを少し改良し、全文表示の場合はタイトル一覧も表示する ようにしました。ログを閲覧しやすくするためです。 |
| 0466 永瀬唯氏の発言を転載 早傘 〔2002/04/11-01:31〕〔61.124.186.235〕 |
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捏造問題ウォッチを青森遺跡探訪掲示板から続けている方は、永瀬唯氏をご記憶されているかと 思います。永瀬氏は、捏造問題に関して、青森に登場前にも、Niftyで多くの発言をしていま す。それについて、昨年8月に転載のご了解をいただいたのですが、諸事に紛れて編集が中断し たままとなっておりました。このたび完成し、あらためて永瀬氏のご確認も受けましたので、こ こに公開します。 http://www.asahi-net.or.jp/~XN9H-HYSK/godhand/nagase.htm 発言の中には考古学に携わるものにとって耳の痛いものも含まれております |
| 0467 RE:その背景読みました 山村貴輝 〔2002/04/11-10:01〕〔211.13.48.247〕 |
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早傘さん、ご教示ありがとう。私の勝手な思い込みですみません。なおついでながら私の書い た文章は「異貌１９号」藤村事件への所感と「旧石器考古学６１」読者からの一言があります。 以上です。 |
| 0468 あす科学技術館に時間があれば行って来ます 山村貴輝 〔2002/04/12-14:19〕〔211.13.48.245〕 |
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考古学の関係者は佐々木憲一さんだと言うことですがそもそもＪapanＳkpticsとは何です か。恥ずかしいのですが知っておられる方ご教示下さい。 捏造事件で佐々木憲一さんがどういう根拠でしゃべるのですか。これも分かりません。「情報 考古学」で「２１世紀の日本考古学への提言」と言う座談会を帰国者がしゃべっている中に佐々 木憲一さんもいます。とりわけ目新しいことを佐々木さんはしゃべっていませんし、また特に新 しい問題意識が佐々木さん自体提起されていると思えないのです。アメリカではどうのこうのの 紹介です。佐々木さんの所属大学が明治大学であることがこの捏造事件に何か関係しているの か、とも考えましたがいくら何でも明治大学と言うことだけで発言できるとは思えません。私が 知らないところで何かこの事件について問題提起されているのでしょうか。 何はともあれ時間があれば行って来ます。「倫理」と言うことに興味がありますので。 |
| 0469 RE:あす科学技術館に時間があれば行って来ます 山村貴輝 〔2002/04/15-11:57〕〔211.13.48.69〕 |
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JpanSkeptisとは理系の学会で、霊とかＵＨＯとか超能力などを問題として批判する研究会を 組織しているような感じがしました。 佐々木憲一さんの発表は私にとって特に新しいものはありませんでした。そこに集まっている 人の多くが（と言っても４０人強ですが）理系の方なので藤村石器を補強する脂肪酸分析や熱ル ミ年代測定などの事例を報告し「理化学分析」が犯した問題も報告されるとよりリアルにこの問 題の所在が分かると思いました。 また考古学で土器やがこの問題に無関心的傾向がある、その根拠についても明らかにすること が（主体的に受け止められない構造などとより細分された個別学問の閉鎖性など）より具体的に 提起される必要もあるかと思います。以上若干の感想と報告です。なお考古学の側から佐々木さ んを除いて３名でした。その内１名は私としまして後の２名は誰かな？ |
| 0470 座散乱木再発掘 早傘 〔2002/04/19-07:27〕〔218.217.147.160〕 |
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「２６日から宮城・座散乱木遺跡を再発掘調査」（毎日新聞） http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200204/18/20020419k0000m0400550 00c.html 埋め残しが見つかる可能性は低いと思う。（仮に見つかった場合は、犯罪捜査の技法で取り上げ ねばならない） 予想される成果は、3次調査区外に係る石器集中が １ 地層断面の観察により、火砕流の1次堆積中であるか判明 ２ 隣地への調査区の拡張により、続きが発見されないか判明 それぐらいかなあ |
| 0471 ミュゼ５２金山意見の不十分さについて 山村貴輝 〔2002/04/19-15:36〕〔211.13.48.158〕 |
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ミュゼ５２に金山嘉昭の「前期旧石器問題に対する博物館の対応」と題する一文が掲載されてい る。本人もかつて旧石器研究を行っており、この一文は自らの問題として提起されているように 読める。そこで展開されている内容は「官」の責任と学会の未検証追認の責任を提起する。無論 これだけではなく本文を入手され一読を勧めるが、金山はかなり正鵠をえる意見にもかわらず消 化不良をえるみたいな気持ちになる。 それは文末の「この間、考古学研究者や考古学会は適切な対応を怠ったことを反省せねばならな い。略ー議論の場としての役割を果たさなければならなかったはずなのに機能不全のままであっ た。」と言う。そして「官」の独走も許してしまった、と状況を述べる。問題は何故この様な学 会となり倫理も論理も通じないものとなったのか、であると私は提起したい。その原因は稲田氏 の言う「自制心」ではない。発掘を疑わない自制心であるならばこれ自体に即して反省する必要 はないのである。自制心を利用したことが悪いなどと宣えばまるでだだを言う子供ではないか。 それでないとしたら「機能不全」化した状況の根本病理を解明し、それを内科的方向か外科的方 向にと問わず摘出し治療することは必要である。消化不良なのはまずは根本病理の解明が不鮮明 なことによる。そして治癒しつつ体質も改善されなければならないと思う。 |
| 0472 総進不動坂「遺跡自体が捏造」 トラ 〔2002/04/21-07:47〕〔61.121.50.208〕 |
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総進不動坂遺跡「遺跡全体がねつ造」 http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20020421&j=0047&k=200204200761 捏造行為があったのは確かですが、やはり「遺跡全体」だったのか。 |
| 0473 神手不始末見聞言（4/6-4/16） 早傘 〔2002/04/21-23:27〕〔61.124.189.110〕 |
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４月６日(土) 帰宅後ひさしぶりにネット上の捏造問題関係のページを検索・巡回。特に日記系のページの保 存にはげむ。検索結果から『箸墓幻想』（内田康夫,2001.8,毎日新聞社）に神の手事件に関わ る内容が有ると知る。捏造発覚時に毎日新聞日曜版へ連載中だったとは。近所の24時間書店に行 く。現物あり。第３刷なので購入は保留。第９章“「神の手」の疑惑”は発覚後に執筆されてい ることを確認。家に戻り、２ｃｈ日本史板で「武功夜話は偽書でない」スレッドを発見 （http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/history/1018105647/-1） 『偽書「武功夜話」の研究』（藤本正行・鈴木真哉,2002.4,洋泉社新書y061）が発売と知 る。ようやく、ようやく、批判本が出たか、と。近世史の専門家達が遺跡捏造問題について他人 事のようにゆうていることには本当にウンザリしていた。歴史評論の史料批判討論会の呆けた会 話を読んでは「何しにきたんだ」とつっこみ、法政シンポ本のコメントを読んでは近世史の連中 は捏造問題を語る資格無しとあきれていた。明日買いに行こう。就寝。 ４月７日(日) 鶴瀬駅西口に資料館友の会の作品展を見に行く。貸与した「真贋のはざま」展図録も置いてあ る。会場のすぐそばの書店で武功夜話本を探すが置いていない。『韓国人の日本偽史』（野平俊 水,2002/05,小学館文庫(書き下ろし)）を発見。この本は数日前にも別の書店で目にし、安直な 反韓国本と思って無視した記憶がある。しかし神の手事件に関する記述があるかも知れぬと目を 通すと、関連の記述（遺跡捏造された李舜臣関連遺物が国宝に指定された事件の紹介）があるに とどまらず、偽史批判本として良質な物であることを知った。日韓（日朝）関係史に関して流布 された多くの奇説・俗説が、日韓双方のナショナリズムによる「共作」であることがよくわか る。一気に読み通し、購入。 さいたま新都心近くの県内最大書店「書楽」に向かう。夜話本は新刊書のコーナーに平積み。 箸墓幻想はなぜか置いていない。数日前に確認していた『3000年の密室』（柄刀一,2002.3,光 文社文庫）を確保。『博士の異常な発明』（清水義範,2002.03,集英社）も発見。ううむ、一気 に進展です。コミックの方はそれなりに関連ネタをチェックしてきたつもりだが、小説の方は、 読む習慣が無く、チェックしていなかった。それでも柄刀一と清水義範は、関連ネタを書くので は、そうでなくともエッセイで触れないことはないだろうと気に掛かっていた。『3000年の密 室』は「文庫版あとがき」で若干の言及がある。『博士の異常な発明』の方は、「小説すばる」 に99年6月から01年10月まで不定期連載されていた「マッド・サイエンティスト列伝」シリーズ を単行本化したもの。連載期間中に11.5を含んでいるが、すでに2000年４月号に考古学ネタが あるため、捏造ネタは盛り込まれていない。その考古学ネタの「鼎談 日本遺跡考古学の世界」 は、一度沈没して１万年後に再浮上した日本列島の遺跡について未来の考古学者が語り合うとい うもの。取り上げられた“日本考古学”を代表する２つの遺跡は、東京“都市”遺跡と、九州の 博多ヶ里遺跡。基本的なアイデアはありがちだが、それはどう料理するかが清水義範の腕前。三 丸の法螺話を笑っている者ほど、かえって素直に笑えない、かも。 『箸墓幻想』は結局、桶川市内で購入（第３刷。のちに市内の別の書店で第１刷を発見したが 第３刷に入っている『発掘捏造』の広告が入っていない。間に合わなかったのか？）。 帰宅して早速夜話本を読む。偽書暴きのインパクトは「歴史民俗学」15号の方が大きいが、一 般書店へ出回る書籍になったことと、偽史の「常識」化を後押し・容認してきた研究者達を厳し く批判していることに意義がある。 ４月13日(土) 今日は、JapanSkepticsのシンポ。鉄路検索により、池袋経由九段下下車が最も安いことを確 認して、科学技術館に向けて出発。未読の『箸墓幻想』を電車内で読むことにする。ふうん、こ んなネタか... 講演開始時刻ギリギリに到着も、まだ総会が終わっていない。控え室に入ると山さんが。総会 終わり。会場に入る。会場隅には非主流会員によるトンデモ物理学や超能力の存在を主張するビ ラが置いてある。Skeptics の意味を勘違いして入会しているようだ。オモシロイ。 佐々木さんの講演の内容は発表要旨を見れば見当が付くと、机の下に隠して『箸墓幻想』を読 んでいると（すんません）、「私は弥生時代から古墳時代への社会変化を主に研究しているので すが、たとえばある古墳から出土した鏡が別の古墳に埋められた場合...」 ん？それって.. 講演・質疑をとおして、やはり佐々木さんは、捏造問題について十分ご存知ないということが わかる。“事件についての不正確な知識を、年来の自らの主張の補強材料とする”というよくあ るパターンの一例。なお、考古学では「追実験」の代わりに「類例」という概念があるのに、そ れを忘れた議論が横行しているのはなぜだろう。 ここで一旦休憩。いつの間にかアームさんが来ている。 再開後のシンポでは、池内了氏による、自然科学分野でも、ビッグ・サイエンスでは再現実験 は実質不可能である、という指摘が興味深かった。資料などから、J.S.の面々が神の手事件に 触れた文献を多く知ることができた。これは収穫。 帰りは竹橋方面に。正面に毎日新聞東京本社ビル。巡礼しないとだな、ということで入ってみ る。出版物紹介のコーナーで『毎日の３世紀』の見本を発見。 http://www.mainichi-shuppan.com/hanbai/ http://www.mainichi.co.jp/eye/iwami/sunday/2002/0324.html 捏造スクープはもとより、かねて調べたいと思っていた遺跡報道の歴史の参考となる記述が多 い。といはいえ、値段が値段だし、かさばるしで、購入は迷っている。 ４月16日(火) 隣接市町の今年度の主要事業について問い合わせ票を作成。公文書じゃなくて担当レベルのＦ ＡＸでのやりとりだから、記入例に「空中文化財分布調査」とか「出土品整理圧縮冷凍事業」と か書いてゆく。企画展の例も書き込み、印刷しようと思ったところで別部署から内線電話。 「あ、早傘さん？ 事務室の配置換えで片付けていたら、なんか、早傘さん宛の荷札のある古び た一斗缶が出てきたんだけど」 えっ？ それって、10年前に遺物の保存処理用に買った薬品じ ゃないかな。確かにそのころはあそこに文化財の係があった。 う〜む。なんというか.... さっき思いついて書いたネタは 「市政30周年記念 市役所の奥からこんなモノ展」。なんだよな。 短期予知能力が身に付いてきたんだろうか... 昼休みに産経新聞で、諸君！臨時増刊『歴史諸君』(文芸春秋社）の広告を見る。帰りに職場 近くのチェーン書店で購入。玉石混淆なりに楽しめる。 http://bunshun.topica.ne.jp/s_rinzou/s_rinzou.htm この中で、中村彰彦「歴史グルメほどひっかかる「偽書」誕生の心理学」が“ニセ遺跡、トンデ モ本が後を絶たない理由は、願望に加えて大小のナショナリズムが存在する”という内容で、神 の手事件や聖嶽問題に触れている。 |
| 0474 他の掲示板 早傘 〔2002/04/21-23:50〕〔61.124.189.110〕 |
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他の掲示板もときどきチェックしましょうということで。 アルカの掲示板では http://www2.realint.com/cgi-bin/tbbs.cgi?akura 角張さんが No.148 [お知らせ：今年書いた小論文] No.151 [新しい石器型式学] を発言 鬼の城の「熱論」コーナーに http://www2.inforyoma.or.jp/~mitsubo/yamamura/ron/news.cgi 山村さんが［稲田さんの意見］と題して発言 できれば御本人から紹介していただけるとありがたいかなと。 |
| 0475 RE:他の掲示板 山村貴輝 〔2002/04/23-10:13〕〔61.116.62.4〕 |
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捏造事件を考えるにつけ他の人の意見を目にする。他の人の意見などどうでも良い、と 思うがついつい口を出したくなる。その場合「評論家」的になる。それは嫌だがではど うするとなると自分の意見や問題を恥ずかしいけど対象化せざるをえない。 すなわち自分はこうだ、とかこのようにしていた、考えていたなどを明らかにすること が不十分であれ必要なことであると考えて「鬼の城」に私の総括を記しました。政治的 対応だと居直りとか清算主義（あれは悪かった、としどうして悪かったのか、なぜ自分 がそうなったのかなどを不在にする事）、とか自分は関係ないとか要するに状況のせい にすることがあり、これではだめだと思ったのだ。 そのような事ではエピソードに終わる。やはり可能な限り自分に引き付けて総括をしな ければ、この問題を教訓化できないし第２第３の事件を醸し出す可能性が有る。また自 分が考古学を行うに対して周囲に対する礼儀でもあると考えた次第である。私の文章を 見て笑う人は笑えば良いし無視するひとは無視すれば良い。 以上が「鬼の城」の自己紹介です。 |
| 0476 RE:総進不動坂「遺跡自体が捏造」 元企業技術者ｙ 〔2002/04/23-16:15〕〔211.10.226.241〕 |
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統計学では、判断の誤りを２種類に分けるらしい。「正しい仮説を誤りと判断する第一種の過 誤」と、「正しくない仮説を正しいと判断する第二種の過誤」とのことである。仮説を遺物・遺 跡と置き換えると、何か、考古学にも当てはまりそうである。 総進不動坂遺跡「遺跡全体がねつ造」ということだが、これは再検証により判明したことであ り、再検証に至るまでは関係者は第二種の過誤を犯していたことになる。この過誤の原因は、不 自然な傷、酸化鉄、出土層にはない黒土の付着等を見逃していたということで、確かめて然るべ きことを確かめなかった、注意不足ということになろうか。今後の教訓が得られた事になる。 考古学で、上記の第一種の過誤は無いだろうが、「遺物から、誤った判断を下す過誤」「遺物 から、誤った結論を導く過誤」は、学問の性格上、ほとんどの場合、その危惧を内蔵しているの かも知れない。真実は神のみ知るといった場合も多いのだろう。 Ｆ氏の行為は意図的な行為であり、過誤ではなく欺瞞行為である。 存在する筈のないナウマン象の脂肪を検出した事は何に相当するのだろうか？難波・岡安・角張 発表に対し、当事者から考古学界内部で合理的な説明はあったのだろうか？説明があれば、前輪 の轍を踏まないよう今後の理化学分析のあり方、または受け止め方に対する教訓が得られるだろ う。 |
| 0477 増補 縄文人の時代 追補 アームチェア 〔2002/04/23-19:18〕〔61.203.175.80〕 |
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戸沢充則編『縄文人の時代』（1995）の増補版（2002.2.1）末尾に、戸沢氏による「追補 縄文 時代研究への理念」が掲載されている。捏造問題をふまえた、氏の見解がまとめられている。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/detail/contents/-/books/4787702025/249- 3472882-0334761 |
| 0478 RE:総進不動坂「遺跡自体が捏造」 山村貴輝 〔2002/04/29-10:18〕〔211.121.221.171〕 |
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yさん、このような教訓化すべき要件が一気的に浮上しているのが今なのです。前例が全 くなかったわけではありませんが。したがって理系の分野が果たして謙虚に反省するの か、あるいは疑惑がある理系の研究者と考古学が縁を切るとか、それには今までの分析 に関して同じデータで他の研究者に依頼しチェックをするとか（その意味では一回きり の脂肪酸は出来ないのと思う）、が考古学総体が組織的に行う必要性を感じます。 しかし必要だから実施できるとは限りません。それを組織し「今まで世話になった研究 者に」面と向かって疑義をいれ「チェック」するような当たりまえの事ができるとは情 けない話ですが難しい状況です。そしてそれはもちつもたれて来た構造に考古学の側が 支え棒をはずすことにもなり、考古学は今回の捏造事件に加えて問題を噴出することに なります。理詰めでは当然のことデ私個人はそうしなければならないと思い、意見を提 起しますが考古学の体質は「アルマジロ」の傾向もあります。 私は過去において理系の研究者をある分野で２人の人に依頼した事があります。その訳 は今までの人の分析報告書が結果しか記されていないため、分析手順とか、中間データ とかが不鮮明であるということですし、その分析が正しい根拠が同じ分野の研究者にも 確認が出来ないことです。また分析を依頼するに当たり別の人にも同じデータをもとに 分析を行う旨を示しました。そしたら今までの分析を行っていた研究者は「時間的に間 に合わない」とおりました。それ以来その研究者と付き合いが切れました。それはそれ で良いのですがおりた研究者が「考古学の現場での資料化に問題がある」と言う事を私 を名指しではなく一般論として発言していました。周囲の考古学仲間から「ことを荒立 てない」様にとの忠告もありました。今にして思えば徹底さに私は欠けていたと反省し ています。 |
| 0479 国外は大丈夫ですか？ 山村貴輝 〔2002/05/02-10:54〕〔211.13.49.70〕 |
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ここのＨＰの過去のことを知らないので、すでに提起されていることかも知れませんが先日人と 話をしていてふと思ったことがあります。それは藤村がロシアに行っていることです。たしか彼 が単独で行っていることはなく東北旧石器研究所の梶原氏らに同行していたと記憶しています。 まさか国外に石器を持ち出すことはないと思いますが念のため確認する方がよいと思います。 |
| 0480 新刊紹介「科学の倫理学」 耳飾 〔2002/05/05-21:17〕〔218.176.200.45〕 |
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下記の書籍が新刊で並んでいました。 捏造事件について取り上げた章があり、捏造がなぜいけないのかまとめてあります。 捏造が発覚することで、その成果に同調した研究者や体制の資質が問われ、 関連研究の浄化が進む点は捏造効果として唯一評価できる旨の記述あり。 下記を参考にしてください。 現代社会の倫理を考える6 科学の倫理学 内井惣七 著 四六・192頁 ISBN 4-621-07054-1 2002年4月発行（￥1900） わが国を代表する科学哲学者にして、科学が生み出す倫理問題にも強い関心を持つ筆者が、科学 研究の具体的な事例を離れた「抽象的な」倫理ではなく、近年大きな問題を投げかけている先取 権問題、盗作事件、捏造事件、原水爆開発、科学行政官や顧問らの言動、優生学の展開など様々 な事例を取り上げて、具体的に「科学の倫理」「科学者の倫理」を論じる。研究者必読の書。科 学に関心をもつ一般読者はもとより、大学テキストとしても最適。 http://pub.maruzen.co.jp/shop/index.html |
| 0481 RE:新刊紹介「科学の倫理学」 耳飾 〔2002/05/05-21:29〕〔218.176.200.45〕 |
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>現代社会の倫理を考える6 科学の倫理学 内井惣七 著 >http://pub.maruzen.co.jp/shop/index.html 上記のURLを紹介しましたが、直接は紹介のページにとべないことがわかりました。 商品検索のスペースに「科学の倫理学」と入力して検索してください。 |
| 0482 RE:新刊紹介「科学の倫理学」 早傘 〔2002/05/05-22:47〕〔61.210.61.136〕 |
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耳飾さん、ありがとうございます。 下記のページだと目次も載っていますね。丸善が専門家倫理に関する本に力を入れていることも わかる。 http://pub.maruzen.co.jp/book_magazine/shinkan/shinkan_old/pub-sin004-j.html |
| 0483 RE:新刊紹介「科学の倫理学」 さとうけいすけ 〔2002/05/05-23:55〕〔130.54.245.202〕 |
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著者の内井先生のＨＰに、『科学の倫理学』の「まえがき」を始め、一部の章がまるまる 公開されていました（残念ながら、「４. 捏造−上高森遺跡とピルトダウン原人」はWeb 未掲載） http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/%7Esuchii/sci.eth.html ▽内井先生のＨＰのトップ（ただし英語版only） http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/%7Esuchii/SUhome.html |
| 0484 とりあえず最近のニュース 早傘 〔2002/05/13-23:42〕〔61.124.187.204〕 |
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妙にアクセスが多いのにどなたも発言がないので場つなぎです http://www.kahoku.co.jp/NEWS/2002/05/20020512J_11.htm 発掘ねつ造２８年前から 藤村氏不正問題報告書 (河北新報 5/11) http://mytown.asahi.com/miyagi/news02.asp?kiji=3160 「発掘調査が重要」座散乱木遺跡調査団 (朝日新聞宮城版 5/11) ttp://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news002.htm（すでに別記事に） ねつ造８パターン 県立博物館主任学芸員が検証 (読売新聞埼玉版 5/12) （栗島氏の発表に関しては読売埼玉版の記事が最も詳細だったが現在ネット上では 見ることが出来ないようだ。埼玉新聞はなぜかこの発表に関して報道せず） http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/backnumber.php3?&d=20020512&j=0046 藤村氏関与の道内遺跡 すべて信ぴょう性否定 調査検討委 (北海道新聞 5/12) http://www.kahoku.co.jp/NEWS/2002/05/20020513J_11.htm 「ねつ造疑いようなかった」東北旧石器研理事長 (河北新報 5/13) http://www.kahoku.co.jp/NEWS/2002/05/20020513J_14.htm 「科学的検証に協力」 石器ねつ造 (河北新報 5/13) http://www3.nikkei.co.jp/kensaku/kekka.cfm?id=2002051303548 「座散乱木」に疑問の声・藤村元副理事長関与の遺跡 (日経新聞 5/13) （元記事は共同通信 5/12 配信） それぞれの記事に感想はありますが、とりあえずご紹介のみ |
| 0485 RE:とりあえず最近のニュース koyu 〔2002/05/14-01:13〕〔219.164.56.91〕 |
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忘れもしない、2000年の11月のねつ造告白会見で、俯いたままの前副理事長が一瞬薄笑い を浮かべた理由がわかるような気がします。 |
| 0486 脇から失礼 菅谷 〔2002/05/14-19:14〕〔210.253.84.52〕 |
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船頭さんの知り合いです。覗くだけにしておくつもりが、変化が少ないので。 『土筆（つくし）』という雑誌が有ります。その第６号が先頃（３月末）の日付で発行されまし た。古墳発生期に興味を持っている人でなければ多分知らないでしょう。 この号の末尾に「日本考古学の昏迷」と題した二頁にわたる捏造問題に関係する見解が示され ています。執筆者は披都己都子氏（推測なので間違っていれば私の責任ですが、発行者のペンネ ームだろうと思います）。要約は自信が無いので、個人的に共感を覚えた以下のみ引用します。 「調査者の意識・技能や、調査や整理の組織的な対応と関わる問題だが、破壊を前提とする調 査に手を染める以上は、当世最高水準の現場調査と成果報告が必然として求められ、対応できな いのなら掘るべきではない。しかし、現実には中身よりも形と、粗悪な報告の量が野放しのまま 堆積する一方で、学としての前進はその中での個人的努力として牛歩でしかない。」 土筆第６号は 2002・3・30発行 発行所は 土筆舎 、頒価は1000円です。 興味を持たれた方は、来る考古学協会の文献交換会あたりで探して見てください。 |
| 0487 神手不始末見聞言（4/19-4/24） 早傘 〔2002/05/18-10:03〕〔61.124.186.211〕 |
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４月19日(金) 昼休みに[471]発言を読む。近くでミュゼを購入できるのは埼玉県立近代美術館。webサイト を確認すると金曜日は夜間開館。らっき。退勤後に直行しミュージアムショップをのぞくが置い ていない。最近取り扱いをやめたという。あんらっき。書楽にまわり、安斎育郎『だからあなた は騙される』(角川oneテーマ21,2001.4）と池内了『科学は今どうなっているの？』(晶文 社,2001.5）を購入。帰宅次第、安斎本を読む。“だまされない極意” （http://www.zenshoren.or.jp/gokui/gokui_b1.htm）とほぼ同内容。複数の連載をまとめ たようで内容に重複が多いが、読みやすく手頃な啓蒙書。神の手事件に関連する記述はｐ 27,33-36,110。P33-36「『神の手』を持った男」は「石器捏造事件の真相」(商工新 聞？,2001/2/19）と同内容。 ４月20日(土) 電車内の時間潰しに池内本を持って出発。午前は東京国立博物館。まず平成館に。 2000/11/28以来。そのときは、前期旧石器のコーナーに中峯Ｃの石器レプリカがまだ展示され ていて、解説パネルも「ＸＸＸにおよぶ石器文化の時代」の「ＸＸＸ」部分（全角３字分より少 し広い）を「数十万年」と修正しただけだった（元は「60万年」か）。英文解説も修正後の状態 で“about half a million years from the time people first settled in the Japanese Archipelago”というなんのために修正したかわからないしろもの。現在は、さすが に中峯Ｃも撤去され、欧阿の握斧等が置かれているが、パネルの修正は半端なまま。ミュージア ムショップに向かう。ミュゼ最新号はまだ入荷していない。あらま。ついでに平成館の展示図録 （開館記念展図録）について尋ねると販売中止になっている。いつからかは聞きそびれ。あんな 解説パネルを放置したままで、やることがちぐはぐ。まずパネルを作り直し、図録は訂正文を挟 んで販売するのが普通の対応だと思う。都立文化会館の静養軒でカレーを食べて横浜に向かう。 横浜で石器文化研究会総会に出席。新入会員なわけです。「石器」は研究していないけれども 「石器文化」は研究していると自分にいいわけ。捏造問題に関して石文研としてなにかをまとめ る予定は無し。総会後「型式」に関する討論会、というよりは、参加者全員が「型式」をどう考 えているかをとおして自己紹介という感じ。 懇親会を１次会で切り上げる。帰りの車中で池内本完読。今は亡き ScIAS 等に掲載された、 科学倫理や科学と社会の関わりに関する随筆をまとめたもの。p250-253の「たった一つの証 拠」(初出は『GRAPHICATION』2001年2月号）が神の手事件にふれている。ピルトダウン事件に もふれながら「重要な発見には独立した複数の証拠が必要」という原則を確認する。しかし、現 代の巨大科学では、他の施設で追試不可能な実験・観察が多く、「たったひとつの証拠」に基づ いて砂上の楼閣を築きかねない、科学と科学者の内実を厳しく点検すべきとまとめる。 帰宅すると竹岡本（『図説 日本列島旧石器時代史』）が届いている。冒頭とまとめだけキセ ル読み。日本列島にはアシュール文化の伝統を引く中期旧石器時代文化が存在し、後期旧石器時 代にはそれが台形石器を持つ文化や国府系文化等に変化し、一方、北まわりで新石刃技法を持っ た文化が伝来し、これらの異種文化は長期に渡り併存、在来文化は新石刃文化を模倣するがつい には断絶、と理解し、在来文化は古代型サピエンス、真正石刃は現代型サピエンスと解釈。ヨー ロッパの後期旧石器時代に関して現在考えられているとまるきり同様の現象が日本列島にも有っ たとするわけだ。中期旧石器として認めている石器群は金取・富山・権現山等、１年前と変わら ず。ひとつの解釈として今後の議論の材料になるのだろう。 ４月22日(月) 出勤するなり「うちからウィルスメールを送り付けられたと抗議のメールが来てるぞ。どうに かせい」。そんなはずは無いと半日かけて確認。worm_klez_Eに名を騙られた。こういうのもウ ィルス被害だよな。 帰宅すると相沢忠洋記念館から「夏井戸だより２号」が届いている。「考古科学シンポ」資料 集掲載の小田静夫氏作成の表（権現山・不二山・桐原は資料としての信頼性に欠けるという内 容）をめぐる相沢千恵子館長と小田さんのやりとりが報告されている。そりゃいきなりあんな表 だけ見せられたら根拠を聞きたくなりますよ。小田さんの回答の基本線は、協会後に記念館後援 者の先生方とともに検討をしたい、それまで詳細な言及は避けたいというもの。いつ観察したか はぼかす（資料貸出をめぐる微妙な問題か）。重ねての要求に、群馬県史掲載資料の中に偽石器 １点、ガジリ有る石器２点を指摘。ちなみに、昨年の科博の特別展の前中期のコーナーは春成さ んが担当。展示においては本物の中期旧石器の例として扱われた。しかし当時、相沢館長は、藤 村石器の隣に並べられてまるで偽物あつかいだと気にしていた。どのような形式でかはともか く、相沢系前期旧石器の清算（学術的な資料論に基づく評価）が今後の焦点のひとつなのは確か かと。星新一のエッセイだったかな。一番残酷な刑罰は、死刑囚に恩赦になったぞと喜ばせてお いてあれは間違いだったと取り消すことだとか。 ４月24日(水) 昼休み、アクラ掲示板でアマプロ発言を読む。おいらはアマプロ判定テストに合格だな。しか しアマプロという言葉は交流戦みたいで紛らわしい。職としているかでアマ・プロを分け、専門 能力を修得しているかは素玄（シロクロ）と呼び分けるのが伝統にかなうかと。素アマ・玄プロ が通常で、玄アマは尊敬、素プロは精進せよ、という感じで。 |
| 0488 考古学技術研究会 早傘 〔2002/05/18-23:13〕〔218.217.146.119〕 |
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5/19日は座散乱木遺跡の現地説明会。火砕流のパイプ構造とはどのようなものか教わりたい が、19日は行けない。なんとか調査中に時間をやりくりして見に行きたいものです。で、19日 の予定はこれの観戦。 第２回考古学技術研究会 2002年5月19日（日）かながわドームシアター 開場 9:45 10:00-趣旨説明 10:15-水山昭宏「コンカレント・アーキオロジー」 11:00-岡安光彦「考古学の工学的基礎を考える」 13:15-鈴木一有「鉄製武器・武具における型式学的研究の視座」 14:00-北條芳隆「日本考古学における理論と技術」 15:00-赤塚次郎「土器が所有するデザインの共鳴について」 司会：内山敏行 捏造問題への対処は大きく２方向がある。１つは直接的に事件の全容解明と同様の行為の再発 防止に向かうもので、所謂検証活動を主体とする。もうひとつは、不正をここまで拡大させ踊ら される事態を招いた考古学界の体質・学的基盤を問い直す方向。ということから設立されたのが 考古学技術研究会なわけです。今回は直接捏造問題に関わる発表はないが、関連イベントといえ ます。 なあんて説明は抜きにしても、発表題目一覧を見てそそられない考古学関係者は少ないだろ う。会場もはりこんでドーム興行。プロレスとしてみれば発表者間のいろいろな因縁の対決が用 意され、公開打ち合わせ掲示板 http://bbs.fresheye.com/free/26485/giken/での舌戦によ る遺恨発生など、興行主はやる気満々。シナリオが有るようで無いアドリブ勝負。なにが起こる か楽しみです。あ、他人から見ればおいらとＯ氏の間にも遺恨があるんだなあ。でも乱入とかは しないですよ。観客に徹します。チケットを買って。 |
| 0489 RE:考古学技術研究会 アームチェア 〔2002/05/19-00:07〕〔61.203.175.80〕 |
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それじゃおいらは覆面レスラーか。 ちなみに入場無料（資料集は有償）。今回もビデオは準備（予算上、ライブは出来ないけど）。 |
| 0490 神手不始末見聞言（4/26-4/28） 早傘 〔2002/05/21-00:39〕〔61.124.188.89〕 |
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なかなかおいつかないなあ ------------------------------------------------- ４月26日(金) 座散乱木検証発掘開始。今回も速報サイトが解説されているが積極的な宣伝はされていない。 疲れたのかな。 “総務の正体”を知る。意外に身近な人物で驚く。これで宮城案内人・縄文学管理人と合わせ 青年熱闘考古学者３羽鴉と顔合わせがスンダ列島。帰宅するとＤ書房の古書目録が届いている。 おっと、座散乱木３冊セットが出ているぢゃないか。 ４月27日(土) 今日は東大セミナー。早めに家を出て、秋葉でICレコーダーを購入。神保町にまわり、三省堂 で高橋昌一郎『科学哲学のすすめ』(丸善,2002.1）を購入。歴史新刊のコーナーに大沼克彦 『文化としての石器づくり』(学生社,2002,4）もあったが、学生社ならば考古学協会総会の際 に割引で購入すればよいとパス。お茶の水駅前からバスで東大正門前に。Ｄ書房で、座散乱木３ 冊セットを注文。一番乗りだけれども、注文が重複したら抽選。さてどうなるか。 公開セミナー「後期旧石器時代開始期前後の遺跡・石器群」は、100人近い参加者があった。 石器研究者にとどまらず著名な縄紋文化研究者の姿も複数拝見した。講義の一番手は安斎正人 氏。研究史の話。岡村・小田・戸田の３氏の研究を比較。安斎氏の講義が終わったところで、ま るで見計らったように小田氏入場。大竹氏の竹佐中原報告を聞くのは現地説明会を含めて４回 目。佐藤氏、砂田氏の講義もつつがなく終わる。ここで司会の安斎氏から会場の小田氏に質問。 武蔵野台地Ｉa期とＩb期の分離の根拠について。本日のセミナーは終了。懇親会へ。懇親会には 大沼さんも出席。しまった、サインもらい損ねた。読みが甘かった。２次会参加者の全員自己紹 介によると九州からも複数の参加者。 帰りの電車、同行者に長年愛用の服を引き裂かれながら高橋本を完読。大槻キョージュ主宰の 月刊パリティーへの連載をまとめたもので、科学哲学の入門書としてバランスのとれた内容だと 思う。p93-105「科学と欺瞞」が神の手事件に触れる（初出はパリティー2001年２月号）。 http://pub.maruzen.co.jp/book_magazine/bm_top_parity.html 鍵語の羅列で内容を表現すると、神の手事件・スプーン曲げ少年の言い訳・超心理学・ユリゲ ラーvsランディー・ハーバード事件・自己欺瞞・大陸移動説。 ４月28日(日) 東大公開セミナー２日目。高尾氏は静岡県内の事例報告。田村氏は下総台地の事例報告。田村 氏作成の表では、千葉県内の後期旧石器時代の遺跡は南部ほど早く出現。多分資料の偏りだと思 うのですが。渡辺氏は野尻湖遺跡群について。中部層の石器には懐疑的。 昼休みに入る。正門前のモンテ・ヴェルデという“南米最古の遺跡”のような名前の洋食屋に 入ろうとしたらなぜか扉が開かない。仕方がないので路地のカレー屋に。食べ終わるころ、安 斎・佐藤の両氏も来店。ああ、そういえば昨年の公開セミナーのときもモンテヴェルデで鉢合わ せだった。どちらの場合も同席したわけではありませんが。昨年の場合は、少し離れた席で店に 備え付けの『あしたのジョー』を読み、「あしたのために」の原文を確認して、いじくったので した。同じようなことを考えた人は多いと思いますがこんな感じ。 「あしたのために その１ 踏査」 遺跡発見の端緒とするため、等間隔にえぐり込むように差すべし 踏査による発見３遺跡に続く発掘は効果を３倍に増すものなり 「あしたのために その２ 発掘」 踏査にて突破口を見いだせば、発掘に持ち込むべし。 埋納遺構は、右足に全体重を乗せ、まっすぐ目標をぶちぬくように踏むべし。 その際、掘った土と同じ固さに踏み固めること。 一発で教科書に載る必殺の遺構なり （高森朝男『あしたのショー』より） 午後の討論に入る。司会より「今回は前・中期旧石器が有るか無いかという議論はしません。 どのような石器から後期というか、その前はにどのような石器が有るのかあるいは無いならばど のように後期の石器が出現するかを論じてください」と枠がはまる。後期以前があるという意見 が６氏、南関東最古段階が「後期」かどうかも保留というのが砂田、という具合。 会場からの意見質問を受ける。発言者は野口、大沼、西秋、須藤、小菅、谷、新田、酒巻の各 氏。引き続きパネラー同士の自由討論。 これらの討論で印象深かった議論 ・竹佐中原遺跡の評価 砂：竹佐中原や石子原は縄紋時代の所産ではないか 大：竹佐で新しい年代測定値も出ているが、サンプルと石器の同時性が不明。 石子原で早期の石器も発見されているが古いとした石器群とは内容が異なる。 ・金取遺跡の評価 佐：なぜ南西関東を集成した砂田資料に金取が掲載されているのか 砂：立川ローム最下層の資料と似ているなと。遺跡の年代がどれほど古いか疑問。 佐：金取の担当者の菊池氏が地質学の専門家であることは御存知ですよね。 ・権現山遺跡の評価 砂：「シンポジウム 日本旧石器時代の考古学」(学生社,1977）の杉原証言によれば 権現山の石器出土層は不明確。 佐：正式報告である『赤城山麓の旧石器』(相沢・関矢,1988）を信ずるべき 遺跡付近が赤城山の山体崩壊により層位が乱れているといわれるが根拠不十分 ガジリは採集以後についたものではないか 駅に向かう道で山さんと一緒になる。学生街のカフェテリアに入り、ケーキセットをほじくり ながら雑談。まわりは女学生ばかり。 秋葉に寄り、ノート用30GBHDDを購入して帰宅すると、２ちゃんが腹話術問題で盛り上がって いる。またやっちゃたのね、ＮＨＫ。 |
| 0491 RE:神手不始末見聞言（4/26-4/28） ash 〔2002/05/22-00:16〕〔210.237.216.133〕 |
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ashです。 ご無沙汰してます。 座散乱木の報告書は、やっと3冊とも手に入れて、 �気鯑匹濟呂瓩燭里任垢�、 いきなり、倒木痕中で石器が水平に出土していたりして、 泣きたくなってきました。 旧石器研究者は、何を見ていたんだろう？と また最近、菊池氏の科学2001-2の論文を 再読していて、以前何気なく読み飛ばしていた記述に目がとまりました。 「（前略）干裂の中に落ち込んだ石器や【木炭片】，（後略）」p.160 ※強調（【 】）は、引用者 （菊池強一「石器の産状は何を語るか」『科学』2001-2，pp.160-165） 仮にこのような木炭片をそれと気づかずにＣ14年代測定すると、 全く関係ない年代をあてはめるはめに陥ってしまいます。 これまでの年代測定用のサンプルの出土状態は、 きちんと確かめられているのでしょうか？ 我々は「どこそこから出土した」という言葉を安易に使いすぎているのかもしれません。 |
| 0492 お天気 MT 〔2002/05/22-20:03〕〔61.203.12.68〕 |
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ご無沙汰しております。 座散乱木の公式ページ、都合で２９日まで更新がないとのことで、１９日で止まっています。 都合なら仕方が無い。折角ですのでその間のお天気などを。 「日本気象協会防災気象情報サービス」でアメダス(降水量)が閲覧できます。現在見ることの出 来る範囲では２１日の１９時〜２２日１９時の1時間ごと、宮城県北部あたりは降水ゼロです。 また、「Weather Eye（全国の気象情報）」のページ http://weather.crc.co.jp/ ここの「お天気データベース」によれば、宮城県（仙台）の天気は １９日 ９時快晴 １５時はれ ２０日 ９時霧雨 １５時雨 ２１日 ９時くもり １５時くもり でした。これは２０００年７月までさかのぼることが出来ました。 |
| 0493 「埼玉県前期旧石器問題検討報告書」刊行 早傘 〔2002/05/22-22:11〕〔61.210.60.103〕 |
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発表されましたね http://prosv.pref.saitama.jp/scripts/news/news.exe?mode=ref&yy=2002&mm=5&seq=89 から抜粋 「埼玉県前期旧石器問題検討報告書」の刊行について ２ 内容 平成１２年度・１３年度に行った「前期旧石器時代遺跡緊急調査事業検 討委員会」の検討経過と結果をまとめた。本文２０２ページ。 ６ その他 下記のとおり有料頒布します。 １）申し込み先 埼玉県大里郡大里町船木台４‐４‐１埼玉県埋蔵文化財調査事業団内 埼玉考古学会事務局 Tel０４９３‐３９‐５３５９ ２）申し込み方法 現金書留郵便により １５００円（本代）＋３８０円（送料）＝１８８０円 5/26(日)の考古学協会総会図書交換会場でも販売するそうです |
| 0494 RE:猫の目のような MT 〔2002/05/23-00:07〕〔211.13.100.252〕 |
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今しがた公式ページ、見ましたら都合で云々の文言、消えておりました。 |
| 0495 RE:神手不始末見聞言（5/1-5/2） 早傘 〔2002/05/23-00:23〕〔61.210.60.103〕 |
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５月１日(水) 仙台市の検証結果が報道される。 下記は翌日の主な記事（毎日の方は読めなくなってしまった） http://www.mainichi.co.jp/area/miyagi/news/20020502k0000c004001000c.html http://www.kahoku.co.jp/NEWS/2002/05/20020502J_13.htm 昨年10月から検証を開始していたのですね。「告白」を受けてということになる。そんなもの をきっかけにするのも情けないけれど、調査主体となった遺跡の検証のニュースが流れていない 宮城県教委よりはましか。仙台市の検証結果は、実に明瞭に藤村関与資料はアウト、関与無しは 問題なしという当然の結果。仙台市の検証の対象となった富沢遺跡については、旧連絡船[474] で、藤村氏が直接関与した部分のみ疑わしいと書いた。この記述をする際に資料として有益だっ たのが、『東北大学埋蔵文化財調査年報13』(2001.3）所収の青葉山遺跡Ｅ地点の調査報告。こ の報告書は今年1月の「考古科学シンポジウム」で小田静夫氏に多摩ニュータウン471B遺跡と同 列のトンデモ報告書のように扱われた。 僕はこの報告書の存在を発刊直後に、八ヶ岳で「中期旧石器として矛盾はない」といった語句 （手元に正確な記録無し）で紹介されていることで知り、困った内容かと危惧していた。しか し、昨夏、現物を閲覧し、また、その後に入手し、評価が変わった。発覚前に執筆依頼していた 柳田氏の考察をそのまま載せることは、資料としての意義があるし、線状の褐色付着物（鉄分） の写真や発見の経過など発覚後に検討した情報を十分に載せて読者の判断に委ねる姿勢が見て取 れる。まとめの語句も「総体的に見て中期旧石器時代の所産であると理解して矛盾は無い」とい うお役所的な曖昧な表現である。発覚後に急遽追加された考察編３「青葉山周辺の旧石器時代石 器群の出土状況」が、宮城県中部の旧石器の出土状況のデータを集成している。出土レベルにば らつきが有る石器集中と乏しい（水平な）石器集中に分かれており、この報告には記述が無いが 他の資料と照らし合わせれば、レベル差の乏しい一群はいずれも藤村氏の関与した資料というこ とが容易にわかる。すなわち、報告者は捏造の有無の結論を避けつつデータによって暗黙裏に示 したのだ、と理解したのだった。昨年12月1日には富沢遺跡保存館に行き、展示資料を見るとと もに、報告書も購入し、藤村氏発見の石器集中とそうではない石器集中では内容が全く異なるこ とも確認できた。 というわけで、仙台市の発表は軽く受け止めていた。しかし、上記の記述のために青葉山報告 考察の出土レベル差表を見直して困惑している。レベル差が多い一群に山田上の台１次調査で発 見された後期の石器集中が多く含まれているからだ。あらためて毎日新聞による仙台市の観察結 果表を見ると、藤村関与資料でも、不自然率がほぼ100％のものと70％前後のものがある。もち ろん、後者の場合もただちに残りの30％が潔白ということにならないのだけれども、石器集中単 位に見た場合にどうなのか、ということが気に掛かる。 ◆仙台市教委の石器観察の結果◆（5/2毎日新聞宮城版より） 遺跡名 調査年度 石器時代 出土点数 不自然な数 関与 山田上ノ台 ８０ 中期 ２９ ２１ 有 〃 ８０ 後期 １７９ １２３ 有 〃 ８４ 中期 １ ０ 無 〃 ８４ 後期 ６２ ０ 無 北前 ８１ 中期 ２１ ２０ 有 〃 ８１ 後期 １２ １２ 有 富沢 ８７・８８ 後期 １１１ ０ 無 〃 ８８ 後期 １２ １１ 有 住吉 ８４ 中晩期 １２２ ８９ 有 （※関与は前副理事長の調査への参加） ５月２日(木) 昼休み、ロシア疑惑発言を読む。うーん。日曜日はその話題は出なかったんけど誤解されたら やだな。ま、どんな反応があるかしばらく様子見。 帰りに書楽に寄る。安斎育郎氏が昨年出したもう１冊の著書『不思議現象の正体（トリック） を見破る 』(KAWADE夢新書,2001.5）の内容を確認する。神の手事件に関する記述は無し。協会 まで我慢できずに大沼本を購入。駐車場サービス時間を増やすため、金額調整用に保留しておい た小田本２冊(*1)を購入。ちなみに小田や島田がからむ青春出版の書籍は他にも２冊ある (*2)。監修者は内容に責任を負って欲しいと痛切に感じる。さらについでに紹介すると、プレ イブックスではＳＦ作家で古代史にも詳しい豊田"倭王の末裔"有恒が２年に１冊の割で執筆して おり、考古学に関心のある非専門家の例として絶好の定点観測所になっている(*3)。豊田2001 は、馬場壇までは大丈夫などと言った考古学者がいかに世間を惑わせたかの証拠になる。ファミ レスで夕食。大沼本を読む。アメリカンコーヒー２杯。 *1 小田静夫『遥かなる海上の道』(青春出版社プレイブックスインテリジェンス,2002.03） 島田栄昭著・小田静夫監修『「縄文人」の謎学』(青春BEST文庫,1998.10） *2 島田栄昭著・馬場悠男監修『「古人類」の謎学』(青春BEST文庫,1998.05） 小田静夫監修『日本人の源流』(青春出版社プレイブックスインテリジェンス,2001.12） *3 いずれも豊田有恒著、青春出版社プレイブックス 『蘇える古代史 歴史は嘘をつく』(1997.05） 『古代"日本"はどう誕生したか 封印されてきた古代史の謎』(1999.07） 『古代史の結論 歴史は二度、嘘をつく』(2001.07） |
| 0496 週刊SPA! 早傘 〔2002/05/23-01:06〕〔61.210.60.103〕 |
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週刊SPA!5/28号（5/21発売）で１ヤクミーツルの神の手事件ネタが測定されました。 【ヤクミーツル・％ヤクミーツル】（やくみーつる・ぱーせんとやくみーつる） 時事的事象の話題度を示す単位。多くの週刊誌に時事漫画を連載するやくみつるが、計測対象の 事象を４コマのネタとして利用した回数により計測する。長期的な比較の際には、連載数の変動 の影響を除くために 関連ネタ/連載数*100 の％ヤクミーツルを用いることがある。ただし、分 母を連載誌数とするか総本数とするか、月刊誌の扱いをどうするかなどについて基準が統一され ておらず、値の比較に際しては原典で計算方法を確認する必要がある。なお慣習により、グリコ がらみの話題は“１つで３ヤクミーツル”のおまけが与えられる。 |
| 0497 RE:図書（5〜６月） MT 〔2002/05/23-01:32〕〔211.13.100.215〕 |
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早傘さんの投稿で大沼本に触れていたので、ついでに。 『これから出る本 ５月下旬号』より ・大沼克彦『文化としての石器づくり』学生社184頁1900円（石器の作り方を写真入りでわかり やすく解説） ・白石浩之『日本史リブレット １ 旧石器時代の社会と文化』山川出版社104頁800円（旧石 器時代の社会の基層を発掘調査をもとに探る） 『 同 6月上旬号』より ・白石太一郎（編）『日本の時代史 １ 倭国誕生』吉川弘文館360頁3200円（特価2800円、9 月30日まで）（旧石器〜ヤマト政権形成期をダイナミックに描く） 岩波書店の出版案内（6月）より ・「科学」6月号（特集 旧石器考古学の可能性 5月24日発売）予定本体1143円 <巻頭言>藤本強 旧石器研究と現代社会 佐藤宏之 旧石器研究の現代的意義 堤 隆 地域における旧石器時代研究の意義 田村隆 ヨーロッパ旧石器考古学のアーケオロジー 絹川一徳 朝鮮半島旧石器研究の新たな展開 長沼孝 黒曜石の山・白滝遺跡群―旧石器人の石材利用 諏訪間順 関東の旧石器学―相模台地からの発信 私のほうは、加藤陽子『戦争の日本近現代史 東大式レッスン！征韓論から太平洋戦争まで』講 談社現代新書720円（税別） を買ったばかりなので上記には手を出しません。情報のみ。 |
| 0498 RE:考古学技術研究会 早傘 〔2002/05/23-22:21〕〔218.229.18.142〕 |
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5.19考技研ドーム興行に逝って来た。この興行の評価にあたっては前史から語りおこさねばな らないだろう。 前史（手元に文献が無いため、おぼろな記憶によって書く） 昭和二十年代、日本考古プロモーションが設立され、トロ発掘など伝説に残る多くの興行で敗 戦に打ちひしがれた国民に夢をあたえた。四十年代の後半、高度成長に沸き上がる頃、日考プロ の幹部達は腐敗していると若手が立ち上がり、紆余曲折の末、新日本考古プロに生まれ変わっ た。しかし、この闘争の勝敗を決めたのは実はマスコミだった。考プロはマスコミと二人三脚で 全盛期を迎えたのだった。人気の絶頂を支えたのはゴッド・マスクだ。それまでの常識を突き破 る華麗な技で国民の圧倒的な人気を集めたのである。しかし、ゴッドマスクは突然仮面を剥がさ れた。真実の暴露 kefa により既存の考古プロは存立基盤を揺さぶられたのである。 考技研の設立 Ｏは叫んだ。今の考古学はマスコミにちやほやされて口先だけになってしまった、考古学はも っときちんとしたテクニックに裏付けられたものである、と。こうして考古学本来のテクニック を見直そうと設立されたのが考技研である。第１回の興行は昨年９月15日に開催され、満場の聴 衆を集めて大成功を収めた。この勢いを活かすべく第２回の興行は業界初のドーム進出となった のである。 しかし、陥穴があった。第１には、カードの決定が遅れたことである。決定のおくれは前宣伝 のおくれにつながり、ネット上のみの宣伝となってしまった。第２には、高度なテクニックを身 につけていることから出場を依頼した講師達が「道場でやっていることをそのまま見せるなど恥 ずかしい」と、普段のスタイルで演じることになり、興行としての統一性が失われたことであ る。第３に、日考とわずか２週間違いの興行であり、日考側は「検証報告」という現在もっとも 集客力のあるカードを用意している。そう何度も首都圏に足を運べない客は日考を選んでしまっ たのである。 伝説の始まり、か？ 実のところ筆者は、ドームの前売りが芳しくないと関係者から事前に耳にしていた。応援の意 味で前日に紹介記事を書いたりもしたのであったが、相当悲惨な興行になるだろうなと思ってい た。しかし、そのような興行こそ伝説となるのだ、数少ない生き証人になるのだと、座散乱木現 説の誘惑を振り切ってドームへ向かったのであった。 会場は1000席。客の入りは20人。予想を上回る、いや下回る？情景が目に飛び込んできた。 すばらしい。 デジデジ・アームは新技術体系を呈示。キレタラ・ア・カーンは３次元殺法を模索中。阿呆ダ ンスという見栄技も試す。イチユウを見るのは初めてだったが、見る者へのアピールが大切とい うスタンス。グレート北條はこのところ多用している跳び技を披露したが、まるで説得力がな い。ライブで見るのは初めてだが、こんなものなのか。クコチヒコはＳ字固めや邪馬台国ボムな ど大技のフルコース。 おっと忘れちゃいけないマイクアピール。お約束の「俺は考古学を愛しているんじゃ」宣言を 聞いてみんなハッピーに。でも、事前の舌戦は○○○だったと掟破りを口にしたのはいかがなも のか。 ＭＶＰはこんな咬み合わないカードをそれとなくまとめたミスター内山に。 これでよいのか考技研。秋の興行が正念場。 |
| 0499 それにしても MT 〔2002/05/25-03:44〕〔61.200.100.156〕 |
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こちらへは3月16日以来です。今日あたりまで沈黙しているつもりでしたが、腹の煮えることが あり他所で何回か投稿しました。総会後にと用意しておいたことをべらべらしゃべるもんじゃな い。 それにしても、ＭＴのしつこいのは何故か。以下、本人の弁ですから話半分に。 2000年11月5日の昼にニュースを見るまで、前期旧石器とかにはまったく関心がありませんでし た。ちょうどその時期、自分の仕事の落とし前をつけるということで考えていたので、似たよう な話もあるものだと観察し始めたに過ぎませんでした。これは何だという、いわゆる知りたい病 が高じた程度でしょう。 では何故。 実際のところ、民俗部門にいて埋蔵文化財を横目に見ていると、まあ、金銭・人員恵まれている なと思うわけです。現場監督としてお大変なのは理解しますが、地方自治体が民俗調査・民具収 集をする根拠がない(？)のと比較して羨ましいと思う部分が根っこにはあります。するとこれ は、大層な手間をかけて恨みを晴らしているのであろうか。 また実際、昔の話ですが考古学関係の方達に多少のご縁がありお世話にもなりました。いくばく かの恩義があると感じています。足を引っ張ったんじゃ元も子もありませんが、そこそこお手伝 いできていたなら幸いであります。するとこれは、一人合点のお節介ということであろうか。 意趣返しか、恩返しか。 実際、両方行ったり来たりしつつ一年半過ごしたように思います。 しかしです。学生の時分、知り合いの考古学生が貸してくれた本に、少年の日、土器だか石器だ かを拾った感激でこの世界に入っていった云々の話がありました。私のほうは爺さん婆さんの話 を聞きながら一緒にタイムトリップするようなことを修行時代からしておりますが、まあ、どこ か通ずる所がある。もうやめてやると思い、またやっててよかったと思う所がございますんで、 ともあれ人のためにも自分のためにもならないニセモノだけは願い下げだと存じます。 以上が無償奉仕で、以下利益誘導の面を。 昨今ご時世も転々致しまして官界業界の不正を見逃さないようです。やや集団ヒステリーという か人身供犠の気味もありますが、説明責任というものに対する目は厳しいものがあります。以前 のように上層部であいまいに処理して「一応決着」などとは、ここまでおおやけになった上は済 まないのではありませんか。正当な処理をすることが結局、信用の回復に繋がると思われます (端的には伏字の解禁)。実際のところ、私達は生活世界というか伝承世界に住んでいますからい きなり世界基準は無理で、日本風の対処法に一塩加えるしかできない。それでも、学者が落とし 前をつけるという、一歩進境があったという程ならきっと先々の利益になると思いますよ。 |
| 0500 RE:まったく MT 〔2002/05/25-03:48〕〔61.200.100.156〕 |
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3月以来じゃない。22・23日にも投稿していましたね。まったく、私は馬鹿？ |